テリーヌショコラのこだわりは?

テリーヌショコラのこだわりは?

今回も少しテリーヌショコラについてお話を…。

素材の良さや作り手の技術・こだわりが現れやすいデザートだと前回お伝えしましたが、
そんなこだわりが現れやすいテリーヌショコラのどんな所に東洋亭はこだわっているのか。

まず1番に口溶けの良さ。

固すぎず、柔らかすぎず、絶妙な固さに仕上げるために焼き方や温度は何度も試行錯誤を重ねて今のレシピに落ち着きました。

火を入れすぎてしまうと固くなってしまいますし、柔らかすぎると生っぽいような、溶けてしまったようなチョコをしっかり味わえない食感になってしまいます

火は入っているけれど、口に入れた体温で溶けていく固さ。この求める固さに焼き上げるために、上火と下火の温度の組み合わせ、焼き時間は1分単位で調整し、本当に何通りも何通りも試作を行いました。

そうして一般的なレシピよりも短めに焼き上げることで滑らかな口溶けが実現した東洋亭のテリーヌショコラのレシピが完成しました。

もう一つ大切なこだわりが素材です。

東洋亭ではフランス・ヴァローナ社のチョコレートをダークとミルクの2種類使うことで、味わいに深みを持たせています。

お菓子作りがお好きな方はご存知かもしれませんが、ヴァローナ社のチョコは普通のチョコとは香りや味わいの深さが違います。口に入れた時の鼻に抜ける香り。お酒が入っていないのに入っているような、食べた後も心地よく残るチョコの余韻。

テリーヌショコラを作るにあたってヴァローナ社のチョコを使うことはすぐに決まったのですが、初めはダークチョコレート1種類で試作をしていました。
しかしダークチョコのみだと、どうしても苦味が強く出てしまう。どうすべきか考えている時に目に止まったのが、別のデザートに使用していた同じくヴァローナ社のキャラメル風味のミルクチョコでした。

この2つを合わせて作ってみると、苦味の中にも優しい甘さを感じられるようになり、ダークチョコのみで作るよりもさらに味わいに奥行きが生まれました。

こうしていろんなこだわりが詰まった東洋亭のテリーヌショコラ。
製作時のお話やこだわりを聞いてから食べると、また違った味わいに感じるかもしれないですね。

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余談ですが、

実は作り上げたパティシエは今は東洋亭にはいません。
今は自分の地元で cafe Lembra というお店を開いて日々頑張っておられます。
ご自分のカフェでも東洋亭のものとは違う別のレシピのテリーヌショコラを作られています。

カフェは高槻なので、お近くの方はぜひ!
東洋亭のテリーヌショコラと食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね。
東洋亭にいた時も今も変わらないのは、美味しいケーキを作りたい。
基本に忠実に。手を抜かずコツコツと。
私たちも彼女に負けないよう、美味しい料理とケーキを作って頑張っていきます。